どっさり作れ。それから、ここへぐるりとかきをこしらえて、そのかきへ、八《や》ところに門をあけよ。そしてその門のうちへ、一つずつさじきをこしらえて、そのさじきの上に、大おけを一つずつおいて、その中へ、二人でこしらえたよい酒を一ぱい入れて待っておれ」とお言いつけになりました。
二人は、おおせのとおりに、すっかり準備をととのえて、待っておりました。そのうちに、そろそろ大じゃの出て来る時間が近づいて来ました。
命は、それを聞いて、じっと待ちかまえていらっしゃいますと、まもなく、二人が言ったように、大きな大きな八俣《やまた》の大蛇《おろち》が、大きなまっかな目をぎらぎら光らして、のそのそと出て来ました。
大じゃは、目の前に八つの酒《さか》おけが並《なら》んでいるのを見ると、いきなり八つの頭を一つずつその中へつっこんで、そのたいそうなお酒を、がぶがぶがぶがぶとまたたくまに飲み干《ほ》してしまいました。そうするとまもなくからだじゅうによいがまわって、その場へ倒れたなり、ぐうぐう寝《ね》いってしまいました。
須佐之男命《すさのおのみこと》は、そっとその寝息《ねいき》をうかがっていらっしゃいまし
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