」とおっしゃいました。
しかし、そのお帰りがあんまりお早いので、天皇は変だとおぼしめし、
「いったいどんなふうにおこわしになったのです」とおたずねになりました。するとお兄上は、
「実はみささぎの土を少しだけ掘《ほ》りかえしてまいりました」とお答えになりました。天皇は、それをお聞きになって、
「それはまたどういうわけでしょう。お父上の復しゅうをするのに、土を少し掘って帰られただけでは飽《あ》きたりないではありませんか。なぜみささぎをすっかりこわして来てくださらないのです」とおっしゃいました。お兄上は、
「そのおおせはいちおうごもっともです。しかし、相手の方はいくら父上のかたきとはいえ、一方ではわれわれのおじであり、またわれわれの天皇のお一人でいらっしゃるお方です。私たちがただ父上のかたきということだけ考えて天皇ともある方のみささぎをこわしたとなりますと、後の世の人から必ずそしりを受けます。ただかたきはどこまでも報いねばならないので、その印《しるし》に土を少し掘《ほ》って来たのです。このくらいの恥《はじ》を与えたのならば、後世《こうせい》だれにもはばかることはありますまいから」
こう言
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