兄のほうがさきに舞いました。弟はそのあとに舞い出そうとするときに、まず大声でつぎのような歌を歌って自分たちきょうだいの身の上をうちあけました。
「男らしい大きな男が、太刀《たち》のつかに赤い飾《かざ》りをつけ、太刀のおには赤いきれをつけて、いかにも人目を引く姿《すがた》をしていても、深くおい茂《しげ》ったたけやぶの後ろにはいれば、隠《かく》れて目にも見えない」と、こう歌いだして、たけやぶという言葉《ことば》を引き出した後、
「そんなたけやぶの大きなたけを割って、それを並《なら》べてこしらえた、八絃琴《はちげんきん》は、それはそれは調子がよく整《ととの》って申し分がない。今から五|代《だい》前《まえ》の履仲天皇《りちゅうてんのう》は、ちょうどその琴《こと》のしらべと同じように、どこまでもりっぱに天下をお治めになったお方である。その皇子《おうじ》に忍歯王《おしはのみこ》とおっしゃる方がいらしった。みんなの人々よ、われわれ二人は、その忍歯王《おしはのみこ》の子であるぞ」と歌いました。
小楯《おだて》はそれを聞くとびっくりして、床《ゆか》からころがり落ちてしまいました。そして大あわてにあわて
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