めてできたときに、この世界が浮き油のように浮かんでいたときのありさまが思い出される。また、神さまが、大海《たいかい》のまん中へこの日本の島を作りお浮かべになった、そのときのありさまにもよく似《に》ている。ほんとは尊《とうと》くもめでたいことである。これはきっと、後の世までも話し伝えるに相違《そうい》ない」
采女《うねめ》はこう言って、昔《むかし》からの言い伝えを引いておもしろく歌いあげました。天皇はこの歌に免《めん》じて、采女《うねめ》の罪を許しておやりになりました。すると皇后もたいそうお喜びになって、
「この大和《やまと》の高市郡《たかいちごおり》の高いところに、大きく茂《しげ》った広葉《ひろは》のつばきが咲《さ》いている。今、天皇は、そのつばきの葉と同じように、大きなお寛《ひろ》い、そして、その花と同じように美しくおやさしいお心で、采女《うねめ》をお許しくだすった。さあ、この貴《とうと》い天皇にお酒をおつぎ申しあげよ。このありがたいお情けは、みんなが後の世まで永《なが》く語り伝えるであろう」と、こういう意味のお歌をお歌いになりました。
それについで天皇も楽しくお歌をお歌いにな
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