を途中で自分が盗《ぬす》み取ったうえ、天皇に向かっては、
「おおせをお伝えいたしましたが、王《みこ》はお聞き入れがございません。おれの妹ともあるものを、あんなやつの敷物《しきもの》にやれるかとおっしゃって、それはそれは、刀の柄《つか》に手をかけてご立腹になりました」
 こう言って、まるで根のないことをこしらえて、ひどいざん言《げん》をしました。
 天皇は非常にお怒《いか》りになって、すぐに人を派《は》せて大日下王《おおくさかのみこ》を殺しておしまいになりました。そして王《みこ》のお妃《きさき》の長田大郎女《ながたのおおいらつめ》をめしいれて自分の皇后になさいました。
 あるとき天皇は、お昼寝《ひるね》をなさろうとして、お寝床《ねどこ》におよこたわりになりながら、おそばにいらしった皇后に、
「そちはなにか心の中に思っていることはないか」とおたずねになりました。皇后は、
「いいえけっしてそんなはずはございません。これほどおてあついお情けをいただいておりますのに、このうえ何を思いましょう」とお答えになりました。
 そのとき、ちょうど御殿《ごてん》の下には、皇后が先の大日下王《おおくさかのみこ
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