だから、かれたちが殺されたのはもとよりあたりまえである。しかしそちなぞからいえば、二人とも目上の王《みこ》たちではないか。その人が身につけている物を、死んでまだ膚《はだ》のあたたかいうちにはぎとって、それをおのれの妻に与《あた》えるなぞと、まあ、よくもそんなひどいことができたね」とおっしゃって、ぐんぐんおいじめつけになったうえ、ようしゃなくすぐ死刑《しけい》に行なわせておしまいになりました。
五
この天皇の御代《みよ》に、兎寸川《とさがわ》というある川の西に、大きな大きな大木が一本立っておりました。いつも朝日がさすたんびに、その木の影《かげ》が淡路《あわじ》の島までとどき、夕日《ゆうひ》が当たると、河内《かわち》の高安山《たかやすやま》よりももっと上まで影がさしました。
土地の者はその木を切って船をこしらえました。するとそれはそれはたいそう早く走れる船ができました。みんなその船に「枯野《からの》」という名前をつけました。そして朝晩それに乗って、淡路島《あわじしま》のわき出るきれいな水をくんで来ては、それを宮中《きゅうちゅう》のお召《め》し料にさしあげておりました。
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