出ましになっていただく方法はあるまいかといっしょうけんめいに、相談をなさいました。
そうすると、思金神《おもいかねのかみ》という、いちばんかしこい神さまが、いいことをお考えつきになりました。
みんなはその神のさしずで、さっそく、にわとりをどっさり集めて来て、岩屋の前で、ひっきりなしに鳴かせました。
それから一方では、安河《やすのかわ》の河上から固《かた》い岩をはこんで来て、それを鉄床《かなどこ》にして、八咫《やた》の鏡《かがみ》というりっぱな鏡を作らせ、八尺《やさか》の曲玉《まがたま》というりっぱな玉で胸飾《むなかざ》りを作らせました。そして、天香具山《あめのかぐやま》という山からさかきを根|抜《ぬ》きにして来て、その上の方の枝《えだ》へ、八尺《やさか》の曲玉《まがたま》をつけ、中ほどの枝へ八咫《やた》の鏡《かがみ》をかけ、下の枝へは、白や青のきれをつりさげました。そしてある一人の神さまが、そのさかきを持って天の岩屋に立ち、ほかの一人の神さまが、そのそばでのりとをあげました。
それからやはり岩屋の前へ、あきだるを伏《ふ》せて、天宇受女命《あめのうずめのみこと》という女神に、天香
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