なさいました。機織女《はたおりおんな》は、びっくりして遁《に》げ惑《まど》うはずみに、梭《ひ》で下腹《したはら》を突《つ》いて死んでしまいました。
女神は、命のあまりの乱暴さにとうとういたたまれなくおなりになって、天《あめ》の岩屋《いわや》という石室《いしむろ》の中へお隠《かく》れになりました。そして入口の岩の戸をぴっしりとおしめになったきり、そのままひきこもっていらっしゃいました。
すると女神は日の神さまでいらっしゃるので、そのお方がお姿《すがた》をお隠《かく》しになるといっしょに、高天原《たかまのはら》も下界の地の上も、一度にみんなまっ暗《くら》がりになって、それこそ、昼と夜との区別もない、長い長いやみの世界になってしまいました。
そうすると、いろいろの悪い神たちが、その暗がりにつけこんで、わいわいとさわぎだしました。そのために、世界じゅうにはありとあらゆる禍《わざわい》が、一度にわきあがって来ました。
そんなわけで、大空の神々たちは、たいそうお困《こま》りになりまして、みんなで安河原《やすのかわら》という、空の上の河原《かわら》に集まって、どうかして、天照大神に岩屋からお
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