してご自分でお位におつきになるようにと、怖《おそ》ろしい入れぢえをなすったのでした。
そうすると、そのお歌のことが、いつのまにか天皇のお耳にはいりました。天皇はすぐに兵をあつめて速総別王《はやぶさわけのみこ》を殺しにおつかわしになりました。
速総別王《はやぶさわけのみこ》はそれと感づくと、びっくりして、女鳥王《めとりのみこ》といっしょにすばやく大和《やまと》へ逃げ出しておしまいになりました。そのお途中、倉橋山《くらはしやま》という険《けわ》しい山をお越《こ》えになるときに、かよわい女鳥王《めとりのみこ》はたいそうご難渋《なんじゅう》をなすって、夫の王《みこ》のお手にすがりすがりして、やっと上までお上りになりました。
お二人はそこからさらに同じ大和《やまと》の曾爾《そに》というところまでいらっしゃいますと、天皇の兵がそこまで追いついて、お二人を刺《さ》し殺してしまいました。
そのとき軍勢を率《ひき》いて来たのは山辺大楯連《やまべのおおだてのむらじ》というつわものでした。連《むらじ》は女鳥王《めとりのみこ》のお死がいのお手首に、りっぱなお腕飾《うでかざ》りがついているのを見て、さっ
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