でいらっしゃいました。
 すると天皇は、しまいにご自分で女鳥王《めとりのみこ》のおうちへお出かけになり、戸口のしきいの上にお立ちになってのぞいてご覧になりますと、王《みこ》はちょうど中でお機《はた》を織っていらっしゃいました。
 天皇は、
「それはだれの着物を織っているのか」とお歌に歌ってお聞きになりました。すると女鳥王《めとりのみこ》もやはりお歌で、
「これは速総別王《はやぶさわけのみこ》にお着せ申しますのでございます」とお答えになりました。
 天皇はそれをお聞きになって、二人のことをすっかりおさとりになり、そのままお宮へおかえりになりました。
 女鳥王《めとりのみこ》はそのあとで、まもなく速総別王《はやぶさわけのみこ》が出ていらっしゃいますと、
「もし。あなたさまよ。ひばりでさえもどんどん大空へかけのぼるではございませんか。あなたはお名まえもたかの中のはやぶさと同じでいらっしゃるのに、さあ早くささぎをとり殺しておしまいなさい」とこういう意味をお歌いになりました。それはいうまでもなく、天皇のお名が大雀命《おおささぎのみこと》なので、それをささぎにかよわせて、一ときも早く天皇をお殺し申
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