いっしょに、八田若郎女《やたのわかいらつめ》においとまをおつかわしになりました。しかしそのかわりには、郎女《いらつめ》の名まえをいつまでも伝え残すために、八田部《やたべ》という部族をおこしらえになりました。

       四

 それからあるとき天皇は、女鳥王《めとりのみこ》という、あるお血筋《ちすじ》の近い方を宮中《きゅうちゅう》にお召《め》しかかえになろうとして、弟さまの速総別王《はやぶさわけのみこ》をお使いにお立てになりました。
 王《みこ》はさっそくいらしって、そのおぼしめしをお伝えになりますと、女鳥王《めとりのみこ》はかぶりをふって、
「いえいえ私は宮中《きゅうちゅう》へはお仕え申したくございません。皇后さまがあんなにごしっと深くいらっしゃるので、八田若郎女《やたのわかいらつめ》だってご奉公ができないでさがってしまいましたではございませんか。それよりもこんな私でございますが、どうぞあなたのお嫁《よめ》にしてくださいまし」とお頼《たの》みになりました。
 それで王《みこ》はその女鳥王《めとりのみこ》をお嫁になさいました。そして天皇に対しては、いつまでもご返事を申しあげないまま
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