になるためにおでかけになりましたのでございます。そのほかにはけっしてなんのわけもおありにはなりません。その虫と申しますのは、はじめははう虫でいますのが、つぎには卵《たまご》になり、またそのつぎには飛ぶ虫になりまして、順々に三度|姿《すがた》をかえる、きたいな虫だそうでございます」と、口子《くちこ》は子供でも心得ているかいこのことを、わざと珍《めずら》しそうに、じょうずにこう申しあげました。
すると天皇は、
「そうか、そんなおもしろい虫がいるなら、わしも見に行こう」とおっしゃって、すぐにお宮をお出ましになり、奴里能美《ぬりのみ》のおうちへ行幸《ぎょうこう》になりました。
奴里能美《ぬりのみ》は、口子《くちこ》が申しあげたとおりの三《み》とおりの虫を、前もって皇后に献上《けんじょう》しておきました。
天皇は皇后のおへやの戸の前にお立ちになって、
「そなたがいつまでも怒《おこ》ったりしているので、とうとうみんながここまで出て来なければならなくなった。もうたいていにしてお帰りなさい」とお歌いになり、まもなくおともどもに難波《なにわ》のお宮へご還幸《かんこう》になりました。
天皇はそれと
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