」という意味を二つのお歌にお歌いになって、また改めて口子《くちこ》をお迎えにおやりになりました。
お使いの口子《くちこ》は、奴里能美《ぬりのみ》のおうちへ着きますと、天皇のそのお歌をかたときも早く皇后に申しあげようと思いまして、御座所《ござしょ》のお庭先《にわさき》へうかがいました。
そのときにちょうどひどい大雨がざあざあ降っておりました。口子《くちこ》はその雨の中をもいとわず、皇后のおへやの前の地《じ》びたへ平伏《へいふく》しますと、皇后は、つんとして、いきなり後ろの戸口の方へ立って行っておしまいになりました。口子《くちこ》は怖《おそ》る怖るそちらがわにまわって平伏しました。そうすると皇后はまたついと前の方の戸口へ来ておしまいになりました。口子《くちこ》はあっちへ行ったりこっちへ来たりして土の上にひざまずいているうちに、雨はいよいよどしゃぶりに降りつのって、そのたまり水が腰《こし》まで浸《ひた》すほどになりました。口子《くちこ》は赤いひものついた、あい染《ぞ》めの上着《うわぎ》を着ておりましたが、そのひもがびしょびしょになって赤い色がすっかり流れ出したので、しまいには青い着物もま
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