みつながしわ》の葉を、すっかり海へ投げすてておしまいになりました。それからまもなく船はこちらへ帰りつきましたが、皇后は若郎女《わかいらつめ》のことをお考えになればなるほどおくやしくて、そのお腹立《はらだ》ちまぎれに、港へおつけにならないで、ずんずん船を堀江《ほりえ》へお入れになり、そこから淀川《よどがわ》をのぼって山城《やましろ》まで行っておしまいになりました。
その時皇后は、
「私はあんまりにくらしくてたまらないので、こんなにあてもなく山城《やましろ》の川をのぼって来たものの、思えばやっぱり天皇のおそばがなつかしい。今この目の前の川べりには、鳥葉樹《さしぶのき》がはえている。その木の下には、茂《しげ》った、広葉《ひろは》のつばきがてかてかとまっかに咲《さ》いている。ああ、あの花のように輝《かがや》きに充《み》ち、あの広葉のようにお心広く、おやさしくいらっしゃる天皇を、どうして私はおしたわしく思わないでいられよう」とこういう意味のお歌をお歌いになりました。
しかしそれかといってこのまま急にお宮へお帰りになるのも少しいまいましくおぼしめすので、とうとう船からおあがりになって、大和《や
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