みこと》は、そのことを早くもお聞きつけになったので、すぐに使いを出して、若郎子《わかいらつこ》にお知らせになりました。
 若郎子《わかいらつこ》はそれを聞くとびっくりなすって、大急ぎでいろいろの手はずをなさいました。
 皇子《おうじ》はまず第一に、宇治川《うじがわ》のほとりへ、こっそりと兵をしのばせておおきになりました。それから、宇治《うじ》の山の上に絹の幕を張り、とばりを立てまわして、一人のご家来《けらい》を、りっぱな皇子のようにしたてて、その姿《すがた》が山の下からよく見えるように、とばりの一方をあけて、その中のいすにかけさせておおきになりました。そして、そこへいろいろの家来たちを、うやうやしく出たりはいったりおさせになりました。
 ですから、遠くから見ると、だれの目にも、そこには若郎子《わかいらつこ》ご自身がお出むきになっているように見えました。
 皇子はそれといっしょに、大山守命《おおやまもりのみこと》が下の川をおわたりになるときに、うまくお乗せするように、船をわざとたった一そうおそなえつけになり、その船の中のすのこには、さなかずらというつる草をついてべとべとの汁《しる》にした
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