《なにわ》の津《つ》へ着いたところをご覧《らん》になり、その美しいのに感心しておしまいになりました。それで武内宿禰《たけのうちのすくね》に向かって、
「こんど日向《ひゅうが》からお召しよせになったあの髪長媛《かみながひめ》を、お父上にお願いして、私《わたし》のお嫁《よめ》にもらってくれないか」とお頼《たの》みになりました。
 宿禰《すくね》はかしこまって、すぐにそのことを天皇に申しあげました。
 すると天皇は、まもなくお酒盛《さかもり》のお席へ大雀命《おおささぎのみこと》をお召しになりました。そして、美しい髪長媛《かみながひめ》にお酒をつぐかしわの葉をお持たせになって、そのまま命《みこと》におくだしになりました。
 天皇はそれといっしょに、

  わしが、子どもたちをつれて、
  のびるをつみに通り通りする、
  あの道ばたのたちばなの木は、
  上の枝々《えだえだ》は鳥に荒《あら》され、
  下の枝々は人にむしられて、
  中の枝にばかり花がさいている。
  そのひそかな花の中に、
  小さくかくれている実のような、
  しとやかなこの乙女《おとめ》なら、
  ちょうどおまえに似《に
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