それをがりがりかんで霧をお吹き出しになりますと、それといっしょに一人の男の神さまがお生まれになりました。その神さまが、天忍穂耳命《あめのおしほみみのみこと》です。
 それからつぎには、女神の右のびんの玉飾《たまかざ》りをお取りになって、先《せん》と同じようにして息をお吹きになりますと、その中からまた男の神が一人お生まれになりました。
 つづいてこんどは、おかずらの玉飾りを受け取って、やはり真名井《まない》で洗って、がりがりかんで息をお吹きになりますと、その中から、また男の神が一人お生まれになり、いちばんしまいに、女神の右と左のお腕《うで》の玉飾りをかんで、息をお吹きになりますと、そのたんびに、同じ男神が一人ずつ――これですべてで五人の男神がお生まれになりました。
 天照大神《あまてらすおおかみ》は、
「はじめに生まれた三人の女神は、おまえの剣《つるぎ》からできたのだから、おまえの子だ。あとの五人の男神は私《わたし》の玉飾りからできたのだから、私の子だ」とおっしゃいました。
 命は、
「そうら、私が勝った。私になんの悪心《あくしん》もない印《しるし》には、私の子は、みんなおとなしい女神で
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