になりました。
 お待ち受けになっていたお母上の皇后は、それはそれは大喜びをなすって、さっそくご用意のお酒を出させて、お祝いのおさかもりをなさいました。
 皇后は、

  このお酒は、私《わたし》がかもした酒ではない。
  薬の神の少名彦名神《すくなひこなのかみ》があなたのご運をお祝いして、
  喜びさわいでつくってくだされたお酒だから、
  のこさず、すっかりめし上がってください。
  さあさあどうぞ。

という意味をお歌いになりました。
 宿禰《すくね》は天皇に代わって、

  このお酒をつくった人は、
  鼓《つづみ》を臼《うす》の上に立てて、
  歌いながら、舞《ま》いながら、
  喜び喜びつくったせいでございますか、
  それはそれはたいそうよいお酒で、
  いただきますとひとりでに歌いたく、
  舞いたくなってまいります。
  ああ楽しや。

とお答えの歌を歌いながら、ともどもお喜び申しました。
 後の世の人は、この母上の皇后の、いろんな雄々《おお》しい大きなお手柄《てがら》をおほめ申しあげて、お名まえを特に神功皇后《じんぐうこうごう》とおよび申しております。
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