お討《う》ちかからせになりました。
 ところがその船の中には、前もってちゃんとよりすぐりの兵が忍《しの》ばせてありました。その兵士たちは船がつくなり、ふいに、うわッと飛び下りて、たちまち、はげしい戦《いくさ》をはじめました。
 そのとき忍熊王《おしくまのみこ》の軍勢《ぐんぜい》には、伊佐比宿禰《いさひのすくね》というものが総大将《そうたいしょう》になっていました。それに対して皇后方からは建振熊命《たけふるくまのみこと》という強い人が将軍となって攻《せ》めかけました。
 建振熊命《たけふるくまのみこと》は見る見るうちに宿禰《すくね》の軍勢を負かし崩《くず》して、ぐんぐんと、どこまでも追っかけて行きました。すると敵は山城《やましろ》でふみ止《とど》まって、頑固《がんこ》に防《ふせ》ぎ戦《いくさ》をしだしました。
 建振熊命《たけふるくまのみこと》は、何をと言いながら、死にもの狂《ぐる》いで攻めかけ攻めかけしました。しかし、どんなにあせっても敵はそれなりひと足も退《ひ》こうとはしませんでした。
 建振熊命《たけふるくまのみこと》は、しまいには、これでは果《は》てしがないと思い直して、急に味方
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