粒《めしつぶ》を餌にしてあゆを釣り、ながく皇后のお徳をかたりつたえる印《しるし》にしておりました。

       三

 おん母上の皇后は、ついで熊襲《くまそ》をも難なくご平定になって、いよいよ大和《やまと》におかえりになることになりました。
 しかし、大和には、香坂王《かごさかのみこ》、忍熊王《おしくまのみこ》とおっしゃる、お二人のお腹《はら》ちがいの皇子などがおいでになるので、うっかりしていると、天皇がお小さいのにつけ入ってどんな悪い事をお企《たくら》みになるかわからないとお気づかいになりました。
 それで皇后は、ちゃんとお策略《さくりゃく》をお立てになって、喪船《もふね》を一そうお仕立てになり、お小さな天皇をその中へお乗せになりました。
 そして天皇はもはやとくにお亡《な》くなりになったとお言いふらしになり、そのお空骸《なきがら》を奉じておかえりになるていにして、筑紫《つくし》をお立ちになりました。
 こちらは香坂《かごさか》、忍熊《おしくま》の二皇子は、それをお聞きになりますと、案のとおり、ご自分たちがあとを取ろうとおかかりになりました。それでまず第一番に皇后の軍勢を待ちうけ
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