うすると、ふいに大きなひょうがどッと降りだしました。命《みこと》はそのひょうにお襲《おそ》われになるといっしょに、ふらふらとお目まいがして、ちょうどものにお酔《よ》いになったように、お気分が遠くおなりになりました。
 それというのは、さきほどの白いいのししは、山の神の召使ではなくて、山の神自身が化けて出たのでした。それを命があんなにけいべつして広言《こうげん》をお吐《は》きになったので、山の神はひどく怒《おこ》って、たちまち毒気《どくき》を含《ふく》んだひょうを降らして、命をおいじめ申したのでした。
 命は、ほとんどとほうにくれておしまいになりましたが、ともかく、ようやくのことで山をおくだりになって、玉倉部《たまくらべ》というところにわき出ている清水《しみず》のそばでご休息をなさいました。そして、そのときはじめて、いくらかご気分がたしかにおなりになりました。しかし命はとうとうその毒気のために、すっかりおからだをこわしておしまいになりました。
 やがて、そこをお立ちになって、美濃《みの》の当芸野《たぎの》という野中までおいでになりますと、
「ああ、おれは、いつもは空でも飛んで行けそうに思
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