出して、急いで、例の袋のひもをといてご覧《らん》になりますと、中には火打《ひうち》がはいっておりました。
命はそれで、急いでお宝物《たからもの》の御剣《みつるぎ》を抜《ぬ》いて、あたりの草をどんどんおなぎ払いになり、今の火打《ひうち》でもって、その草へ向かい火をつけて、あべこべに向こうへ向かってお焼きたてになりました。命はそれでようやく、その野原からのがれ出ていらっしゃいました。そしていきなり、その悪い国造《くにのみやつこ》と、手下《てした》の者どもを、ことごとく切り殺して、火をつけて焼いておしまいになりました。
それ以来そのところを焼津《やいず》と呼びました。それから、命《みこと》が草をお切りはらいになった御剣《みつるぎ》を草薙《くさなぎ》の剣《つるぎ》と申しあげるようになりました。
命はその相模《さがみ》の半島《はんとう》をおたちになって、お船で上総《かずさ》へ向かってお渡《わた》りになろうとしました。すると途中で、そこの海の神がふいに大波《おおなみ》を巻《ま》きあげて、海一面を大荒《おおあ》れに荒れさせました。命の船はたちまちくるくるまわり流されて、それこそ進むこともひきか
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