」とお言いになりました。そして二人とも刀を抜《ぬ》き放すだんになりますと、建《たける》のはにせの刀ですから、いくら力を入れても抜けようはずがありません。命は建《たける》がそれでまごまごしているうちに、すばやくほんものの刀を引き抜いて、たちまちその悪者を切り殺しておしまいになりました。そして、そのあとで、建《たける》が抜けない刀を抜こうとして、まごまごとあわてたおかしさを、歌につくってお笑《わら》いになりました。

       三

 命《みこと》はこんなにして、お道筋《みちすじ》の賊《ぞく》どもをすっかり平《たい》らげて、大和《やまと》へおかえりになり、天皇にすべてをご奏上《そうじょう》なさいました。
 すると天皇は、またすぐにひき続いて、命に、東の方の十二か国の悪い神々や、おおせに従わない悪者どもを説《と》き従えてまいれとおおせになって、ひいらぎの矛《ほこ》をお授《さず》けになり、御※[#「金+且」、第3水準1−93−12]友耳建日子《みすきともみみたけひこ》という者をおつけ添《そ》えになりました。
 命はお言いつけを奉じて、またすぐにおでかけになりました。そして途中で伊勢《いせ》
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