こと》とは、おとうさまのご命令に従って、それぞれ大空と夜の国とをお治めになりました。
 ところが末のお子さまの須佐之男命《すさのおのみこと》だけは、おとうさまのお言いつけをお聞きにならないで、いつまでたっても大海《おおうみ》を治めようとなさらないばかりか、りっぱな長いおひげが胸《むね》の上までたれさがるほどの、大きなおとなにおなりになっても、やっぱり、赤んぼうのように、絶えまもなくわんわんわんわんお泣《な》き狂いになって、どうにもこうにも手のつけようがありませんでした。そのひどいお泣き方といったら、それこそ、青い山々の草木も、やかましい泣き声で泣き枯《か》らされてしまい、川や海の水も、その火のつくような泣き声のために、すっかり干《ひ》あがったほどでした。
 すると、いろんな悪い神々たちが、そのさわぎにつけこんで、わいわいとうるさくさわぎまわりました。そのおかげで、地の上にはありとあらゆる災《わざわい》が一どきに起こってきました。
 伊弉諾命《いざなぎのみこと》は、それをご覧《らん》になると、びっくりなすって、さっそく須佐之男命《すさのおのみこと》をお呼《よ》びになって、
「いったい、お
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