その毒蛇も竜も、日中《にっちゅう》一ばん暑いときに三時間だけ寝ますから、そのときをねらって、こっそりとおりぬければ大丈夫です。」と言いました。ウイリイはそのとおりにして、犬と一しょに、無事に城の中へはいりました。
城の門も、中の方々の戸も、すっかり明け放してありました。
四
ウイリイは犬を外に待たせておいて、大きな部屋をいくつも通りぬけて、一ばん奥の部屋にはいりますと、そこに、金色をした鳥が一ぴき、すやすやと眠っていました。その鳥の羽根は、ウイリイが先《せん》にひろった羽根と同《おんな》じ羽根でした。ウイリイは、犬から教《おそ》わっていたので、そっとその鳥のそばへ行って、しっぽについている、一ばん長い羽根を引きぬきました。
鳥はびっくりして目をあけたと思うと、ふいに一人の美しい王女になりました。それが羽根の画の王女でした。
「あなたは私の熊と狼のそばをよくとおりぬけて来ましたね。」と王女が言いました。
「肉をどっさりやりましたら、とおしてくれました。」とウイリイは答えました。
「それでは私の大男のいるところはどうしてとおりぬけたのです。」と王女は聞きました。
「
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