おまえたちにはどっさりほうびをやるといいました。三人は、それを聞いて、
「これまでだれにも出来なかったことをして見せれば、第一世界中の人にもいばれます。私たちも一しょうけんめいにお手つだいいたします。」と、勇み立って言いました。
王子は三人にりっぱな着物を買って着せました。そして夜になると、みんなをつれて王さまの御殿へいって、どうか私に、王女さまの番をさせて下さいましと申しこみました。
王さまはこころよく王子と家来とを一《ひ》と間《ま》におとおしになりました。
王子はそのまえに、三人に向って、どんなことがあっても、私がだれだということは人にしゃべらないように、それから三人が、いざというと、じきにすらすらのびたり、ぶくぶくふくれたり、火をふいたりすることも、かたくひみつ[#「ひみつ」に傍点]にしておくように言いふくめておきました。
王さまは王子に向って、
「もしうっかりい眠りをして、王女を部屋からにがすと、おまえたち四人の命を取るがそれでもいいか。」と、ねんをおおしになりました。
「それはしょうちしております。」と王子は答えました。
王さまは、よせばいいのにと言わないばかりにに
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