き陰影をつくらんとて
雛罌粟《ひなげし》は顫へ、
かなしき疲れを求めんとて
女は踊る。


 淡い粉雪

      Tinka John 作

淡《あは》い粉雪はブリツキの
薄い光に消えてゆく、
老孃《オールドミス》のさみしさか、
青いその日も消えてゆく。


 ※[#「轂」の「車」に代えて「米」、102−7]倉のほめき


思ひ出は※[#「轂」の「車」に代えて「米」、103−1]倉《こくぐら》の挽臼《ひきうす》の上に
ぼんやりと置きわすれたる蝋燭の火か、
黄いろなる蝋燭の火は
苅麥《かりむぎ》と七面鳥の卵とに陰影《かげ》をあたへ、
惡戲者《いたづらもの》の二十日鼠にうちわななく。

柔かに鳴く聲は物忘《ものわす》れゆく女のごとく、
薄あかりする空窓《そらまど》の硝子より、
ふけゆく夜《よる》のもののねをやかなしむ。………
黄いろなる蝋燭のちろちろ火。

いまだに大人《おとな》びぬ TONKA JOHNの こころは
かの※[#「轂」の「車」に代えて「米」、104−2]物《こくもつ》の花にかくれんぼの友をさがし、
暖かにのこりたる祭《まつり》のお囃子《はやし》にききふける…………


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