みて
熟《う》れし木の果は
やはらかき吐息《といき》もて地にぞ落ちたる。
またひとつ…………そよとだに風も吹かねど。

 四十六

かなしかりにし昨日《きのふ》さへ、
かなしかりにし涙さへ、
明日《あす》は忘れむ、肥滿《ふと》れる君よ。

 四十七

廢《すた》れたる園のみどりに
ふりそそぎ、ふりそそぎ、にほやかに小雨はうたふ。
罌粟《けし》よ、罌粟よ、
やはらかに燃えもいでね…………

 四十八

なにゆゑに汝《な》は泣く、
あたたかに夕日にほひ、
たんぽぽのやはき溜息《ためいき》野に蒸して甘くちらばふ。
さるを女、
なにゆゑに汝《な》は泣く。

 四十九

あはれ、人妻、
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かたらふひまもみどり兒は聲を立てつつ、
かたはらを匍ひもてありく、
君はまた、たださりげなし。
あはれ、人妻。

 五十

いかにせむ…………
やはらかに
眼も燃《も》えて、
ああ君は
唇《くちびる》をさしあてたまふ。

 五十一

色赤き三日月。
色赤き三日月。
今日もまた臥床《ふしど》に
君が兒は銀笛のおもちやをぞ吹く、
やすらけきそのすさびよ。

 五十二

柔《やは》らかな
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