キユラソオの酒さかづきにあるは滿たせど、
かなしみはいよいよ去らず、
かにかくにわかき身ゆゑに涙のみあふれていでつつ。
四十一
かかるかなしき手つきして、
かかる音《ね》にこそ彈きにしか、
かかるかなしきその日の少女《おとめ》。
四十二
あかき果《み》は草に落ち、
露に濡れて、
日をひと日|戰《おのの》きぬ、かくてまた香《か》だに立て得じ。
雨霽れて、日の射せば、甘く、かなしく、
物|求食《あさ》り、物|求食《あさ》り、寄りも來る音《ね》の
レグホンの雄の鷄《とり》の、あはれそがけたたましさよ。
四十三
葬式《ともらひ》の歸途《かへり》にか、戲れに笛吹き鳴らし、
もの甘き靄の内さざめきてたどる樂師よ。
哀れ、汝《なれ》ら、
薄ぐらき路次の長屋にひと時の後やあるらむ。
さはれなほ吹き鳴らし吹き鳴らし長閑《のど》に消えつつ、
うら若き服の鄙びのいろ赤く、なにか眺むる。
日はしばし夢の世界に目を放つ、黄金の光。…………
四十四
顏のいろ蒼ざめて
ゆめ見るごとき眼眸《まなざし》、
今日もまたわかき男、
空をのみ空をのみ見やりて暮らす。
四十五
長き日の光に倦《う》
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