らに入日のこり、
空いろにこころ顫ふ。
初戀の君おもふ
われの未練《みれん》ぞ、
あはれ、さは暮れはつるらむ。

 二十一

いとけなき女の子に
きかすとにはあらねど、
たはむれにきかしぬる
わかき日の歌よ。
わが戀ふる君も知らねば。

 二十二

わが友いづこにありや。
晩秋《おそあき》の入日の赤さ、さみしらにひとり眺めて、
掻《か》いさぐるピアノの鍵《けん》の現《うつつ》なき高音《たかね》のはしり、
かくてはや、獨身《ひとりみ》の獨身《ひとりみ》の今日《けふ》も過ぎゆく。

 二十三

彌《いや》古りて、大理石《なめいし》はいよよ眞白に、
彌《いや》古りてかなしみはいよよ新らし、
彌《いや》古りて彌《いや》 清く、いよよかなしく。

 二十四

泣かまほしさにわれひとり、
冷《ひ》やき玻璃戸《はりど》に手もあてつ、
※[#「窗の/心」、第3水準1−89−54、59−7]の彼方《かなた》はあかあかと沈む入日の野ぞ見ゆる。
泣かまほしさにわれひとり。

 二十五

柔かきかかる日の光のなかに、
いまひとたび、あはれ、いまひとたび、
ほのかにも洩らしたまひね、
われを戀ふと。

 二十六
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