しさ、生《なま》じろさ。
落つる夕日のまんまろな光ながめてひと雫《しづく》。

あかい夕日のまんまろな光眺めてまじまじと、
足を輪にして、顏据ゑて、小さいその兒はまた涙。
傍《そば》にや親爺《おやぢ》が眞面目《まじめ》がほ、
鉦《かね》や太皷でちんからと、俵くづしの輕業《かるわざ》の
浮いた囃子《はやし》がちんからと。

知らぬ他國の瀉海《がたうみ》に鴨の鳴くこゑほのじろく、
魚市場《さかないちば》の夕映《ゆふばえ》が血なまぐさそに照るばかり、
人立ちもないけうとさに秋も過ぎゆく、ちんからと。――
小さいその兒がただひとり、
とんぼがへりや、皿まはし…………


 人形つくり


長崎の、長崎の
人形つくりはおもしろや、
色硝子………青い光線《ひすぢ》の射《さ》すなかで
白い埴《ねばつち》こねまはし、糊《のり》で溶かして、砥《と》の粉《こ》を交ぜて、

つい[#「つい」に傍点]ととろり[#「とろり」に傍点]と轆轤《ろくろ》にかけて、
伏せてかへせば頭《あたま》が出來る。

その頭《あたま》は空虚《うつろ》の頭、
白いお面《めん》がころころと、ころころと…………

ころころと轉《ころ》ぶ
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