てるなかに
ひとりあやつる商人《あきうど》のほそい指さき、舌のさき、
糸に吊《つ》られて、譜につれて、
手足顫はせのぼりゆく紙の人形のひとおどり。
あかい夕日のてる坂で
やるせないぞへ、らつぱぶし、
笛が泣くのか、あやつりか、なにかわかねど、ひとすぢに
糸に吊《つ》られて、音《ね》につれて、
手足|顫《ふる》はせのぼりゆく戲《おど》け人形のひとおどり。
なにかわかねど、ひとすぢに
見れば輪※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11、24−2]《りんね》が泣きしやくる。
たよるすべなき孤兒《みなしご》のけふ日《び》の寒さ、身のつらさ、
思ふ人には見棄てられ、商人《あきうど》の手にや彈《はぢ》かれて、
糸に吊《つ》られて、譜につれて、
手足|顫《ふる》はせのぼりゆく紙の人形のひとおどり。
あかい夕日のてる坂で
消えも入るよならつぱぶし…………
秋の日
小さいその兒があかあかと
とんぼがへりや、皿まはし…………
小さいその兒はしなしなと身體《からだ》反《そ》らして逆《さか》さまに、
足を輪にして、手に受けて、
顏を踵《かゝと》にちよと挾む、
足のあひだにその顏の坐《すは》るかな
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