さみしいカナリヤよ、
――よしやこの身が赤い血吐いていまに死なうとそなたは他人。
じつと默《つぐ》んだ嘴《くちばし》にケレオソートが沁むかいな。

死んだ娘のいふことに、
青い小鳥よ、擔荷《たんか》の上のわしの姿が見えぬとて
ひとの涙のうしろからちらと鳴くのか、籠の鳥、
弔《くや》むそなたの眞實《しんじつ》は
金の時計か、襟どめか、惜しい指輪の玉であろ。
何がかなしいカナリヤよ、
――よしやこの身が解剖《ふわけ》をされて墓へかへろとそなたは他人。
やつといまごろ鳴いたとて死んだ肌《はだへ》がなんで知ろ。

わしの從兄弟《いとこ》がいふことに
青い小鳥よ、樫の木づくり、おなじ寢どこに三人《みたり》まで
死ぬる命の贐《はなむけ》に鳴いて暮らすか、籠の鳥、
ケレオソートにや馴染《なじ》みもしよが、
いつも馴染まぬ人の眼が今ぢやそなたも厭《いや》であろ。
何がせはしいカナリヤよ。
――よしやこの身が冷たくなろと息が締《き》れよとそなたは他人。
死なぬさきから鳴かうとままよ、あとの二日でわしも死ぬ…………


 みなし兒


あかい夕日のてる坂で
われと泣くよならつぱぶし…………

あかい夕日の
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