、また、みどりに、
幼年の手に囘《まは》す萬華鏡《ひやくめがね》のなかに光り、
※[#「轂」の「車」に代えて「米」、252−3]物の花にむせび、
薄きレンズを透かしてわが怪しき凾のそこに、
微《ほの》かなる幻燈のゆめのごとく、また街《まち》の射影をうつす。

太陽はまた合歡《カウカ》の木をねむらせ、
やさしきたんぽぽを吹きおくり、
銀のハーモニカに、秋の收穫《とりいれ》のにほひに、
或は青き蟾蜍《ワクド》の肌に觸れがたき痛みをちらす。

太陽は枯草のほめきに、玉蜀黍《たうもろこし》の風味に、
優しき姉のさまして勞《いたは》れども、
太陽は太陽は
新らしき少年の恐怖《おそれ》にぞ――身と靈との變りゆく秘密にぞ、
あまりにも眩ゆき判官《はんぐわん》のまなざしをもて
ああ、ああ、太陽はかにかくに凝視《みつ》めつつ脅かす。


 夜


夜《よる》は黒…………銀箔《ぎんぱく》の裏面《うら》の黒。
滑《なめ》らかな瀉海《がたうみ》の黒、
さうして芝居の下幕《さげまく》の黒、
幽靈の髪の黒。

夜は黒…………ぬるぬると蛇《くちなは》の目が光り、
おはぐろの臭《にほひ》いやらしく、
千金丹の鞄《かば
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