粉のちりぬ。
水蟲の列
朽ちた小舟の舟べりに
赤う列《なみ》ゆく水蟲よ、
そつと觸《さは》ればかつ消えて、
またも放せば光りゆく。
いさかひのあと
紅《あか》いシヤツ着てたたずめる
TONKA JOHN こそかなしけれ。
白鳳仙花《しろつまぐれ》のはなさける
夏の日なかにただひとり。
手にて觸《さは》ればそのたねは
莢《さや》をはぢきて飛び去りぬ。
毛蟲に針《ピン》をつき刺せば
青い液《しる》出て地ににじむ。
源四郎爺は、目のうすき
魚《さかな》かついでゆき過ぎぬ、
彼《かれ》の禿げたる頭《あたま》より
われを笑へるものぞあれ。
憎《にく》き街《まち》かな、風の來て
合歡《カウカ》の木をば吹くときは、
さあれ、かなしく身をそそる。
君にそむきしわがこころ。
爪紅
いさかひしたるその日より
爪紅《つまぐれ》の花さきにけり、
TINKA ONGO の指さきに
さびしと夏のにじむべく。
Tinka Ongo.小さき令孃。柳河語。
夕日
赤い夕日、――
まるで葡萄酒のやうに。
漁師原に鷄頭が咲き、
街《まち》には虎列拉《コレラ》が流行《はや》つ
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