、かなしく、生《いき》いきと。
死んだ蛙が生《なま》じろく
仰向《あふむ》きて浮く水の上、
銀の光が一面《いちめん》に
鐘の「刹那《せつな》」の音《ね》のごとく。
おたまじやくしの泣き笑ひ
こゑも得立てね、ちろちろと、
けふも痛《いた》そに尾を彈《はぢ》く、
黒く、かなしく、生《いき》いきと。
おたまじやくしか、わがこころ。
銀のやんま
二人《ふたり》ある日はやうもなき
銀のやんまも飛び去らず。
君の歩みて去りしとき
銀のやんまもまた去りぬ。
銀のやんまのろくでなし。
にくしみ
青く黄《き》の斑《ふ》のうつくしき
やはらかき翅《は》の蝶《チユウツケ》を、
ピンか、紅玉《ルビー》か、ただひとつ、
肩に星ある蝶《チユウツケ》を
強ひてその手に渡せども
取らぬ君ゆゑ目もうちぬ。
夏の日なかのにくしみに、
泣かぬ君ゆゑその唇《くち》に
青く、黄《き》の粉《こ》の恐ろしき
にくらしき翅《は》をすりつくる。
白粉花
おしろひ花の黒きたね
爪を入るれば粉のちりぬ。
幼《をさ》なごころのにくしみは
君の來たらぬつかのまか。
おしろひ花の黄《きな》と赤、
爪を入るれば
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