んぼ


青いとんぼの眼を見れば
緑の、銀の、エメロウド、
青いとんぼの薄き翅《はね》
燈心草《とうしんさう》の穗に光る。

青いとんぼの飛びゆくは
魔法つかひの手練《てだれ》かな。
青いとんぼを捕ふれば
女役者の肌ざはり。

青いとんぼの奇麗さは
手に觸《さは》るすら恐ろしく、
青いとんぼの落《おち》つきは
眼にねたきまで憎々し。

青いとんぼをきりきりと
夏の雪駄で蹈みつぶす。


 猫


夏の日なかに青き猫
かろく擁《いだ》けば手はかゆく、
毛の動《みじろ》げはわがこころ
感冒《かぜ》のここちに身も熱《ほて》る。

魔法つかひか、金《きん》の眼の
ふかく息する恐ろしさ、
投げて落《おと》せばふうわりと、
汗の緑のただ光る。

かかる日なかにあるものの
見えぬけはひぞひそむなれ。
皮膚《ひふ》のすべてを耳にして
大麥の香《か》になに狙《ねら》ふ。

夏の日なかの青き猫
頬にすりつけて、美くしき、
ふかく、ゆかしく、おそろしき――
むしろ死ぬまで抱《だ》きしむる。


 おたまじやくし


おたまじやくしがちろちろと、
粘《ねば》りついたり、もつれたり、
青い針めく藻のなかに
黒く
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