――それは何ね。――お餅です。――何をしているの。――鎌倉の伯母さんとこに送ります。――あら、たったそれだけ。――伯母さんとこは三人ですから。――うう、ではそれでよいのですね。)
[#ここで字下げ終わり]

 南無、南無。
 三昧の夢の法界に、生死を繰り返す無尽性に、固定を通ずる無礙性《むげせい》に、その真実性に、われらは帰依《きえ》し奉る。
 われらはまた執著と浄念との諧和を、永遠を刹那に見る輪廻《りんね》の一心法界を、絶対にして広大なる理智の徳を、真言を、創造を、獅子の活力と精神力とを、自然に周遍する白象の托胎性を、ここに斉《ひと》しく崇《あが》め奉る。
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    後記


『藝林間歩《げいりんかんぽ》』に「黙子覚書」を寄稿し、十回に及んで一先ず完了を告げた。完了といっても実はどうして結びがついたのかわからぬようなものである。しかしここまで老の身をいたわり、励みをさえつけられて、その成就をよろこばれたのは野田宇太郎さんである。野田さんに対しては、何を措《お》いても感謝せねばならない。野田さんはまたこれを一書にまとめる計画をたてられた。書物としては題名を第十回の小見
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