》されてあります。また當時《とうじ》の少女《しようじよ》はまだ生《い》きてゐて、そこからあまり遠《とほ》くない村《むら》に住《す》んでゐるといふことを番人《ばんにん》の女《をんな》から聞《き》きましたが、定《さだ》めしもう年《とし》よりのお婆《ばあ》さんになつて當時《とうじ》自分《じぶん》くらゐの娘《むすめ》の子《こ》の親《おや》となつてゐることであらうと思《おも》ひます。
 アルタミラの洞穴《ほらあな》の繪《え》とごく似《に》てゐる繪《え》は、前《まへ》にいつたフランスのフオン・ド・ゴームの繪《え》であります。この洞穴《ほらあな》は、アルタミラとは違《ちが》つて、丈《たけ》の高《たか》い奧《おく》の深《ふか》い穴《あな》であつて、兩側《りようがは》の壁《かべ》にやはり多數《たすう》の動物《どうぶつ》の繪《え》を描《か》いてあります。こゝへも私《わたし》は行《ゆ》きましたが、繪《え》の出來《でき》は前《まへ》のものより、少《すこ》し劣《おと》るようでありますが、大體《だいたい》において同《おな》じ調子《ちようし》であります。その他《ほか》フランスの洞穴《ほらあな》には、これとよく似《に
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