代《じだい》に人《ひと》がはひつて作《つく》つたものではなく、びぞん[#「びぞん」に傍点]といふ牛《うし》のような動物《どうぶつ》は、一萬年《いちまんねん》近《ちか》くも前《まへ》でなければ棲息《せいそく》してゐなかつたものであり、それをこれほど寫生的《しやせいてき》に描《か》くには、實物《じつぶつ》によつて寫生《しやせい》したのでなければならぬといふことなどが、だん/\わかつて來《き》たのみでなく、やがてはフランスの中部《ちゆうぶ》ドルドーンヌのフオン・ド・ゴームといふ所《ところ》の洞穴《ほらあな》などにまた、同《おな》じような繪《え》のあることが發見《はつけん》せられたのです。それで今日《こんにち》では誰《たれ》もこれを疑《うたが》ふものはなくなつたのであります。
[#「第二十五圖 舊石器時代の人が洞穴に畫をかいてゐる圖」のキャプション付きの図(fig18371_26.png)入る]
私《わたし》もこの間《あひだ》、スペインのアルタミラ[#「アルタミラ」は底本では「アルタミナ」]の洞穴《ほらあな》へ行《い》つて親《した》しくその繪《え》を見《み》ることが出來《でき》たのであります
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