石器《せつき》は一體《いつたい》何《なに》に使用《しよう》したものであるかといふに、全體《ぜんたい》が槌《つち》の役《やく》にもなり、尖《とが》つたところでは物《もの》を突《つ》き、角《かく》ばつたところでは軟《やはら》かいものを切《き》るといふように、あらゆることに用《もち》ひられたのでせう。これが次第《しだい》に進《すゝ》んで來《き》ますと使用《しよう》の途《みち》も別《べつ》になり、それ/″\適當《てきとう》の形《かたち》になつて石槍《いしやり》とか石劍《いしつるぎ》とか、あるひは石庖丁《いしほうちよう》とかにわかれて行《ゆ》くのでありますが、この時代《じだい》にはまだ、それがわかれてゐなかつたのであります。
[#「第二十二圖 骨牙器と彫刻物」のキャプション付きの図(fig18371_23.png)入る]
 その次《つ》ぎに竝《なら》べてあるのは、皆《みな》さんの見《み》られるとほりその造《つく》り方《かた》は、前《まへ》のよりもかへって簡單《かんたん》であるようですが、しかも大《おほ》きく打《う》ちわつた表面《ひようめん》を巧《たく》みに使《つか》つて、必要《ひつよう》の部分《
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