されました。それはたゞ一《ひと》つの下顎骨《かがくこつ》でありますが、この骨《ほね》は顎《あご》が内側《うちがは》に引込《ひつこ》み、今日《こんにち》の人間《にんげん》とはよほど違《ちが》つてゐますけれども、類人猿《るいじんえん》とは全《まつた》く別種《べつしゆ》であり、もはや人間《にんげん》の仲間《なかま》であることは明《あきら》かであります。第十五圖《だいじゆうごず》をご覽《らん》なさい。たゞ一《ひと》つの下顎骨《かがくこつ》から想像《そう/″\》して見《み》ると、こんな人間《にんげん》が出來上《できあが》るのです。これを『ハイデルベルグ人《じん》』といつてゐます。
[#「第十六図 ハイデルベルグ人下顎骨」のキャプション付きの図(fig18371_16.png)入る]
 その次《つ》ぎに古《ふる》いものは、イギリスのピルツダウンで發見《はつけん》されたもの、それからドイツのネアンデルタール、ベルジュームのスピイなどで發見《はつけん》されたもので、これらのものは皆《みな》ハイデルベルグ人《じん》よりも餘程《よほど》進歩《しんぽ》してをりますけれども、現代《げんだい》の人類《じんるい》
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