。私《わたし》はこの少年《しようねん》の熱心《ねつしん》さに感心《かんしん》したので、
「あなたはかういふ古《ふる》いものがすきですか」
とたづねました。
「はい、私《わたし》はこんなものを調《しら》べるのが一番《いちばん》好《す》きです」
と答《こた》へて、なほも鉛筆《えんぴつ》を手帳《てちよう》の上《うへ》に走《はし》らせてゐるのです。それで私《わたし》は、
「あなたのような熱心《ねつしん》な少年《しようねん》は、將來《しようらい》きっと考古學《こうこがく》の立派《りつぱ》な學者《がくしや》になりませう」
といつて別《わか》れたのでありました。日本《につぽん》にもよし小《ちひ》さくとも、こゝかしこに考古學《こうこがく》の博物館《はくぶつかん》が建《た》てられてあつたら、このドイツの少年《しようねん》のように熱心《ねつしん》な子供《こども》が出來《でき》て來《き》て、それが將來《しようらい》考古學《こうこがく》の偉《えら》い學者《がくしや》になるであらうと感《かん》じたのでありました。
(ロ) 人類《じんるい》の始《はじ》め
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