あのエヂプトの繪文字《えもんじ》を讀《よ》み始《はじ》める手《て》がゝりになつた『ロセッタ・ストーン』といふ石《いし》、ギリシヤの『パルテノン』といふ御堂《おどう》にあつた彫刻《ちようこく》もこゝにあります。それだけでも、いかに珍《めづら》しいものがあるかといふことは推察《すいさつ》出來《でき》るでせう。そしてこの博物館《はくぶつかん》にはまた立派《りつぱ》な圖書館《としよかん》が設《まう》けてありまして、勉強《べんきよう》するにまことにつごうよく出來《でき》てゐます。こゝを一應《いちおう》見物《けんぶつ》するだけでも一日《いちにち》を要《よう》しますが、入場《にゆうじよう》は無料《むりよう》であり、傘《かさ》や杖《つゑ》を預《あづか》つてくれても賃錢《ちんせん》を取《と》りません。毎日《まいにち》見物《けんぶつ》や勉強《べんきよう》のために、入場《にゆうじよう》する人々《ひと/″\》は非常《ひじよう》にたくさんあつて、ちようど博覽會《はくらんかい》へ行《い》つたほどの賑《にぎは》ひです。この大英博物館《だいえいはくぶつかん》が專《もつぱ》ら古代《こだい》のものを蒐集《しゆうしゆう》し
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