ゐるのもあります。その名高《なだか》いものには埼玉縣《さいたまけん》の吉見《よしみ》の百穴《ひやくあな》といふのがあります。以前《いぜん》はこの横穴《よこあな》をば、人間《にんげん》が穴住居《あなずまゐ》をしてゐた跡《あと》だと考《かんが》へてをりましたが、やはり昔《むかし》の人《ひと》の墓場《はかば》なのです。それですからこの横穴《よこあな》は古墳《こふん》の石室《せきしつ》と同《おな》じ意味《いみ》のものでありまして、その作《つく》り方《かた》と大體《だいたい》[#ルビの「だいたい」は底本では「だいてい」]においてよく似《に》てをります。しかしたいていはそれほど大《おほ》きくはなく、四角《しかく》あるひは圓《まる》い部屋《へや》が一《ひと》つあるくらゐですが、時《とき》に珍《めづら》しいのになりますと、横穴《よこあな》の中《なか》に石棺《せきかん》が造《つく》つてあつたり、石《いし》の床《とこ》が三方《さんぽう》に設《まう》けて死體《したい》を置《お》くようになつてあつたり、天井《てんじよう》に家屋《かおく》の屋根《やね》をまねてあるのもあつたり、内部《ないぶ》に刀劍《とうけん》の
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