す。また中《なか》には死者《ししや》を石棺《せきかん》でなく木棺《もくかん》にいれて葬《はうむ》つた石室《せきしつ》も多《おほ》くあります。これは木棺《もくかん》はくさつてしまつても、それに使《つか》つた鐵《てつ》の釘《くぎ》などが殘《のこ》つてゐるのでわかります。元來《がんらい》以前《いぜん》は一《ひと》つの塚《つか》には一人《ひとり》しか葬《はうむ》らなかつたのが、この石室《せきしつ》を造《つく》る時代《じだい》になつてからは、一人《ひとり》だけを葬《はうむ》る場合《ばあひ》もありましたが、家族《かぞく》の者《もの》をも一《ひと》つの石室《せきしつ》に葬《はうむ》る風《ふう》が出來《でき》たかと思《おも》はれます。皆《みな》さんは、かような石《いし》の室《むろ》にはひつたことがありますか。大《おほ》きい石室《せきしつ》は奧行《おくゆ》きが十間近《じつけんちか》くもあり、室内《しつない》は眞暗《まつくら》ですから大《たい》そう氣味《きみ》の惡《わる》いものでありますが、蝋燭《ろうそく》を點《とも》したり、懷中電燈《かいちゆうでんとう》を携《たづさ》へて行《ゆ》きますと、内部《ないぶ》
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