に收《をさ》めたのでありますが、何分《なにぶん》空氣《くうき》が棺《かん》の中《なか》へ侵入《しんにゆう》するので、今日《こんにち》これを開《あ》けて見《み》ても骨《ほね》の遺《のこ》つてゐるのはごく稀《まれ》であつて、わづかに齒《は》が殘《のこ》つてゐるくらゐであります。しかし死者《ししや》と共《とも》に葬《はうむ》つた品物《しなもの》はたいてい遺《のこ》つてをります。それらの品物《しなもの》については後《のち》に述《の》べることにいたします。この石棺《せきかん》の他《ほか》に、陶棺《とうかん》といつて赤《あか》い埴輪《はにわ》のような燒《や》き物《もの》の棺《かん》があります。それはごく古《ふる》い時代《じだい》にもあつて、その時分《じぶん》はたゞ大《おほ》きな[#「大《おほ》きな」は底本では「大《おは》きな」]甕《かめ》や壺《つぼ》を合《あは》せて使《つか》つたのですが、後《のち》には石棺《せきかん》をまねて、やはり家形《いへがた》に似《に》た大《おほ》きな棺《かん》が出來《でき》ました。(第五十七圖《だいごじゆうしちず》)
[#「第五十六圖 日本古墳石棺」のキャプション付きの図
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