。今日《こんにち》われ/\はラボックのわけ方《かた》によつて、石器時代《せつきじだい》を二《ふた》つとするのが普通《ふつう》であります。また石器時代《せつきじだい》から金屬使用時代《きんぞくしようじだい》にはひる中間時代《ちゆうかんじだい》を、金石併用期《きんせきへいようき》と名《な》づける學者《がくしや》もありますが、かようにわけて行《ゆ》けば限《かぎ》りなくわけられますけれども、それらの細《こま》かいことは改《あらた》めてお話《はな》しする時《とき》がありませう。要《よう》するにこの石器《せつき》、青銅器《せいどうき》及《およ》び鐵器《てつき》の三《みつ》つの時代《じだい》によつて考古博物館《こうこはくぶつかん》は、その陳列《ちんれつ》する品物《しなもの》を區別《くべつ》し、時代別《じだいべつ》によつて人類《じんるい》の遺物《いぶつ》を竝《なら》べて行《ゆ》くのが普通《ふつう》の方法《ほう/\》となつてをります。
それで私《わたし》は、これから皆《みな》さんに考古博物館《こうこはくぶつかん》を書物《しよもつ》の上《うへ》でつくり、そこへ案内《あんない》して説明《せつめい》して行《ゆ》かうと思《おも》ふのでありますが、たゞ今《いま》述《の》べた順序《じゆんじよ》で進《すゝ》んで行《ゆ》くことにいたします。さあ皆《みな》さん、これから舊石器時代《きゆうせつきじだい》の陳列室《ちんれつしつ》にまゐりませう。
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二、舊石器時代室《きゆうせつきじだいしつ》
(イ) 舊石器《きゆうせつき》の種類《しゆるい》
[#「第二十一圖 原器と舊石器」のキャプション付きの図(fig18371_22.png)入る]
この室《しつ》にはひつて私共《わたしども》は、まづ中央《ちゆうおう》の棚《たな》に竝《なら》べてある石器類《せつきるい》をだん/\見《み》て行《ゆ》きませう。一番《いちばん》初《はじ》めにあるのは、いはゆる『原石器《げんせつき》』と稱《しよう》するものでありまして、これはちょっと見《み》たところでは、その邊《へん》に轉《ころ》がつてゐる石《いし》の破片《はへん》と少《すこ》しも變《かは》らない、たゞ角張《かくば》つて打《う》ち缺《か》いた痕《あと》のあるように見《み》えるだけのものでせう。(第二十一圖《だいにじゆういちず》左上《ひ
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