く、一《ひと》つ/\違《ちが》つてゐるのが普通《ふつう》でありますが、この時分《じぶん》には、まだ土器《どき》を燒《や》く窯《かまど》が知《し》られてゐなかつたと見《み》え、後《のち》の時代《じだい》のように綺麗《きれい》な色《いろ》に出來《でき》てをりません。素燒《すや》きでありますけれども、黒《くろ》ずんだ茶色《ちやいろ》で爐《ろ》に燻《いぶ》されたのが多《おほ》いのです。そしてその土《つち》の質《しつ》も細《こま》かい砂《すな》や、時《とき》には大粒《おほつぶ》の砂《すな》がまじつてゐるために平均《へいきん》してをりません。これら土器《どき》の形《かたち》は、その棚《たな》に竝《なら》べてあるように、非常《ひじよう》に種類《しゆるい》が多《おほ》いのでありまして、後《のち》の時代《じだい》や今日《こんにち》のものと比《くら》べて、かへって變化《へんか》が多樣《たよう》を極《きは》めてゐるのには寧《むし》ろ驚《おどろ》かされます。たゞ皿《さら》の類《るい》は餘《あま》り見當《みあた》りませんが、鉢《はち》、壺《つぼ》、土瓶《どびん》、急須《きゆうす》のたぐひから香爐型《こうろがた》のものなどがあつて、それに複雜《ふくざつ》な形《かたち》の取手《とつて》や、耳《みゝ》などがついてをり、模樣《もよう》はたいてい繩《なは》や莚《むしろ》の型《かた》を押《お》しつけその上《うへ》に曲線《きよくせん》で渦卷《うづま》きだとか、それに類似《るいじ》の模樣《もよう》がつけてありますが、時《とき》には突出《とつしゆつ》した帶《おび》のような裝飾《そうしよく》をつけたものもあります。ごく珍《めづら》しい例《れい》ではありますが、赤《あか》い繪《え》の具《ぐ》で塗《ぬ》つたものさへ見《み》かけられるのであります。しかし燒《や》き方《かた》はどれも軟《やはら》かい質《しつ》ですから、水《みづ》を入《い》れるとたいていは浸《し》み出《だ》します。それには當時《とうじ》の人《ひと》も定《さだ》めし困《こま》つたこともあらうと思《おも》はれますが、今日《こんにち》のように美《うつく》しい座敷《ざしき》があつて疊《たゝみ》の上《うへ》にゐるわけではなく、少《すこ》しぐらゐは水《みづ》がしみ出《だ》して濡《ぬ》れたとて、さう困《こま》るようなことはなかつたでせう。ところが、この土器《どき》を長
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