分のライターを私の顔に近づけてくれた。夕飯にはまだ少しはやかったので、御客は他に誰もいなかった。バラック立の安ぶしんの天井から、白い障子ばりの電燈の笠が目立ってうつくしかった。とっくりと、小さな鉢とお箸がまもなく運ばれた。先刻の女中が、彼と私とにお酒をついだ。
「おいふみ。これに云うなよ」
 彼は親指をみせた。社長のことだと感知した。
「おまえも黙っとれ」
 私にむかって上目使いに命令した。私は私と彼が差向いで御酒をのんでいる様子がとてつもなくおかしいものに思われてにやにやしていた。彼は多くは喋らなかった。私も黙って後から運ばれて来たおすしを食べた。ほんのり酔いを感じた。
「分家さん、何で御馳走してくれはんの」
 私は、わざと大阪弁を使って問うた。
「ふふん」
 彼は満足げに笑っていた。彼のとろんとした目がだんだん鋭くすわって来た。外がうすぐらくなり電気が点いた。
「おおきにごちそうさん。私、かえらしてもらいます」
 私は両手をついて会釈した。
「かえらさへんぞ」
 彼は私をきっと睨めつけた。そうしていきなり私の手を机の上でひっぱった。おちょくとお箸がころがった。
 それから、あの青や
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